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【学習設計記録】演習で解けることと、新しい条件で使えることは別――62時間の学習から見えた「転用」の課題
2026年8月21日〜8月27日|週次分析レポート
今回の学習設計記録は、8月21日から8月27日までを対象とします。
8月21日には、学習の質が下がっていないかを確認するため、理科・社会の一問一答に加え、数学の標準演習と新作問題による確認テストを実施しました。
今週の答案には、二つの異なる結果が表れています。
理科・社会の一問一答は、合計正答率95.3%まで上昇しました。数学の標準演習でも、確認した9小問はすべて正解しています。
一方、条件の異なる新作問題では、求められた4つの比較判断が、いずれも模範解答と一致しませんでした。
今回の中心課題は、解法を知らないことではありません。
学習した解法を、条件の異なる問題へ正確に転用する力が、まだ安定していないことです。
1週間の学習時間は62時間
8月21日から8月27日までにStudyplusへ記録された学習時間は、62時間00分でした。
前週の61時間53分からは7分増加しており、自学の総量はほぼ同水準です。
日付|学習時間
8月21日|7時間9分
8月22日|5時間30分
8月23日|6時間7分
8月24日|10時間58分
8月25日|10時間30分
8月26日|11時間25分
8月27日|10時間21分
合計 62時間00分
7日間すべてに学習記録があり、後半4日間は連続して10時間を超えました。
前半3日間の平均は6時間15分、後半4日間の平均は10時間49分です。
前週は、前半3日間が平均10時間50分、後半4日間が平均7時間21分でした。
ただし、前週後半には学校の課外授業があり、自学に使える時間そのものが通常より限られていました。
Studyplusの記録だけでは、学校での学習を含む一日の総負荷までは把握できません。したがって、前週後半の時間減少を、本人の意欲や学習体力の低下と判断することはできません。
一方、限られた自学時間の中で何を優先したかは、学習記録から確認できます。
前週は、過去問へ時間を配分した一方、理科・社会の基礎確認が配置されない日がありました。
今週は後半4日間で学習時間を確保すると同時に、過去問と基礎確認を同じ日に進める方向へ、学習配置が変わっています。
過去問21時間を維持しながら、基礎学習を戻した
今週の主な学習配分は、次のとおりです。
学習区分|今週|前週|増減
志望校2校の過去問|21時間22分|21時間29分|-7分
社会|9時間27分|7時間46分|+1時間41分
理科|8時間11分|8時間16分|-5分
数学|7時間57分|8時間7分|-10分
英語|7時間23分|6時間58分|+25分
国語|5時間40分|7時間17分|-1時間37分
教材の分類なし|2時間00分|2時間00分|増減なし
過去問には21時間22分を使っており、記録された学習時間の約34%を占めています。前週とほぼ同じ水準です。
その一方で、理科の一問一答には5日間で6時間55分、社会の一問一答には5日間で6時間51分取り組みました。社会は別教材も含めると、前週から1時間41分増えています。
前週の8月20日は、過去問へ4時間取り組む一方、理科・社会の一問一答はともに0分でした。
これは、学校の課外授業がある中でも学習していなかったという意味ではありません。限られた自学時間の中で過去問が優先され、確認テストで課題となった基礎範囲が同日に配置されなかったという、教材配分上の問題です。
今週の8月27日は、第一志望校の過去問4時間に加え、理科の一問一答1時間26分、社会の一問一答1時間6分を同じ日に実施しています。
過去問と基礎確認が日単位で分断されていた状態には、行動上の改善が見られます。
英作文も6日間で7時間23分、古文単語も3日間で4時間取り組みました。以前、確認テスト後に学習記録から消えてしまった教材が、今回は継続して配置されています。
ただし、国語全体では前週から1時間37分減っています。
古文単語の学習は確保できていますが、文章題・記述演習の時間は減少しました。
次週は、古文単語を何も見ずに即答する訓練を継続しつつ、最難関入試で差がつく現代文記述・文章読解を週内に複数回再配置します。
記述問題では、本文中の根拠箇所を特定してから答案を作るところまで確認します。
一問一答は95.3%まで改善した
8月21日に実施した一問一答の結果は、次のとおりでした。
科目|正答数|正答率|誤答数
理科|128/133問|96.2%|5問
社会・歴史|48/51問|94.1%|3問
社会・公民|48/51問|94.1%|3問
合計|224/235問|95.3%|11問
前回との比較では、合計正答率が86.6%から95.3%へ8.7ポイント上昇しました。
誤答数も35問から11問へ減少しています。
今回、総問題数は261問から235問へ26問減っています。しかし、誤答は24問減りました。
さらに、公民は24問から51問へ問題数が増えたにもかかわらず、正答率が79.2%から94.1%へ上昇しています。
したがって、今回は問題数の減少だけで生じた、見かけ上の正答率上昇ではありません。今回指定された範囲に対する再現精度は、前週より明確に改善しました。
ただし、前回と今回は出題範囲が異なります。
今回の95.3%は、前回間違えた35問を正解できるようになったことを意味しません。新しい範囲を、前回より高い精度で準備できたという結果です。
前回までの誤答が定着したかどうかは、別の再確認が必要です。
また、最難関校を目指す以上、指定された基礎範囲では100%が基準です。95.3%は改善ですが、完成ではありません。
標準演習9問は正解、新作問題の4判断は不一致
数学では、場合の数・確率に関する標準演習を確認しました。
答案では、全事象の設定、余事象の利用、同じ数字を含む場合とすべて異なる場合の分類、順列による数え上げが行われています。
確認した9小問の答えは、すべて模範解答と一致しました。
ここまでは、前週からの改善として評価できます。
一方、新作問題では、同じ確率分野でありながら、次の結果となりました。
条件|本人の判断|正しい判断
カードを2枚取り出す|P=Q|P<Q
カードを3枚取り出す|P<Q|P=Q
サイコロを2個投げる|P=Q|P<Q
サイコロを3個投げる|P<Q|P>Q
求められた4つの比較判断は、いずれも模範解答と一致しませんでした。
答案を見ると、場合分けをしようとする意識はあります。和が正となる場合、0となる場合、負となる場合も区別しようとしています。
しかし、数え上げの基準と、その後の検算に誤りが残りました。
例えば、カードを2枚取り出す全組合せについて、答案には明確に6C2=12通りと書かれています。
6C2と置いたこと自体は正しく、全事象を組合せで捉えるところまではできています。しかし、その値は12ではなく15です。
土台となる全事象を誤ったまま、その後の確率を比較しています。また、選び方を実際に書き出す、あるいは6×5÷2で確かめるといった検算も行われていません。
カードを3枚取り出す場合には、2、2、-3という、負の数を含んでいても和が正となる組合せが抜けました。
さらに、サイコロ2個の場合を「カード2枚の場合と同じ」として処理しています。
しかし、カードは6枚から重複なく取り出す組合せです。サイコロは、それぞれの出目を区別する独立した順序つきの試行です。
問題文が似ていても、全事象の構造は同じではありません。
サイコロ3個の場合にも、-3、2、2の並びを落としたため、正となる場合を少なく、負となる場合を多く数えています。
「解けた問題の数」だけでは、転用力は分からない
今回の数学は、学習の質を考えるうえで重要な事例です。
標準演習では9小問をすべて正解しています。しかし、条件を少し変えた新作問題では、4つの最終判断がすべて変わりました。
これは、標準演習の正解に価値がないという意味ではありません。
問題を分類し、計算し、答えまで到達する力は確認できています。
一方、その解法がどの条件のもとで成立しているのかを理解し、新しい問題に合わせて組み替える段階には、まだ不安定さがあります。
入試では、過去に解いた問題と全く同じ問題は出ません。
問われるのは、覚えた解法をそのまま再生する力だけではなく、目の前の条件に合わせて解法を選び直す力です。
そのため、「類題を何問正解したか」だけで単元の完成を判断することはできません。
条件を変えた問題でも、同じ原理を使えるか。組合せと順列を区別できるか。場合を数え終えたあと、全事象と一致するか検算できるか。
そこまで確認して、初めてその解法を使える状態になったと判断します。
8月28日は、過去の誤答だけを再確認する
本日は、これまでの理科・社会の確認テストで間違えた箇所だけを抜き出し、再確認を行う予定です。
直近2回だけでも、誤答は合計46問あります。
今回確認するのは、答えを一度覚え直したかどうかだけではありません。
・問題の順番を変えても答えられるか
・科目や単元を混ぜても正確に取り出せるか
・漢字や用語を完全な形で書けるか
・時間を空けても同じ答えを再現できるか
以上を確認します。
出題されるのは、一度は間違え、その後に学び直したはずの問題です。
したがって、この46問では1問の取りこぼしも残さず、100%で回収することを基準とします。
この再確認は、夏休みの学習全体を一度のテストだけで評価するものではありません。
一方、少なくとも理科・社会の暗記と基礎再現については、これまでの学び直しが「解説を読んだ作業」で終わらず、確実な得点力へ変わったかを測る最初の試金石になります。
8月28日に100%を取れなかった問題は、その日のうちに原因を確認します。さらに、翌日または数日後にも同じ範囲を再テストし、時間を空けても再現できて初めて回収完了とします。
数学についても、新作問題を解き直すだけでは不十分です。
カードの数や得点条件を変えた類題を用意し、
1. 組合せか、順序つきの試行か
2. 全事象はいくつか
3. 和が正・0・負となる場合に漏れがないか
4. 三つの合計が全事象と一致するか
を、計算前に書かせます。
同じ問題の答えを覚えるのではなく、別の問題でも同じ誤りを防げるかを確認します。
過去問は、基礎回収と同じ日に進める
今週は、過去問21時間22分を維持しながら、理科・社会・英作文・古文単語を学習記録へ戻すことができました。
特に8月27日のように、過去問4時間と理社の基礎確認を同日に行えたことは、前週からの具体的な改善です。
今後も、過去問を解く日と基礎を学ぶ日を分けません。
過去問で見つかった失点原因を、その日のうちに対応する基礎教材へ戻す。翌日以降に再確認する。そこまでを一つの学習単位とします。
過去問の実施時間は確認できていますが、過去問の年度別得点、失点原因の分類、修正後の再現までが完了しているかは、学習時間だけでは判断できません。
過去問を21時間解いたことではなく、21時間から何を回収したかを評価します。
現時点の合格可能性は、引き続き30~40%
一問一答の正答率が95.3%まで上昇したこと、過去問と基礎確認を同じ日に配置できたことは、前週からの明確な前進です。
一方、過去の誤答が回収されたかは、まだ再テスト前です。
数学でも、標準演習の正解が、条件の異なる新作問題へ転用されていません。
したがって、現時点で第一志望校の合格可能性を30~40%から上方修正する根拠は、まだ十分ではありません。
今後の判断材料になるのは、学習時間や教材のページ数だけではありません。
過去の誤答を時間を空けても100%再現できるか。条件を変えた数学の類題で、分類基準を最後まで維持できるか。過去問の失点を基礎教材へ戻し、再確認まで完結できるか。
この三点です。
正解を、別の場面でも再現できる力へ
今週の62時間は、単に過去問を増やした1週間ではありませんでした。
理科・社会の再現精度は上がり、前週に分断されていた過去問と基礎確認も、同じ日に両立できるようになりました。
一方、数学では、演習問題を正解できることと、新しい条件で同じ考え方を使えることの間に、明確な差が残りました。
学習の完成は、「その問題を一度解けた」ことでは判断できません。
時間を空けても答えられること。順番を変えても答えられること。条件を変えた問題でも、使うべき原理を選び直せること。
ご家庭で確認していただきたいのも、正答率だけではありません。
以前の誤答をもう一度出したときに答えられるか。同じ単元の別問題でも解法を使えるか。解き直しが、再テストまで完結しているか。
知識を覚えることから、知識を使えることへ。
夏休みの残り期間は、この転換を最優先に進めます。
■ご案内
Educatioでは、Studyplusによる学習記録、確認テスト、模試・過去問の答案をもとに、学習時間の管理だけではなく、教材の選定、進度調整、弱点への差し戻し、再テストまでを一体として設計しています。
「何時間勉強したか」だけではなく、「何を、どのように学び、どこまで再現できるようになったか」を継続的に観測し、志望校合格に向けた学習設計を行います。化するかを記録・分析します。
当塾の教育方針については、以下をご参照ください。
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