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塾はいつから通うべきか──小学校低学年の家庭学習と教育の順序
塾はいつから通うべきか。
多くのご家庭が悩むテーマです。
小学生から塾に通った方がよいのか。
中学生からでは遅いのか。
受験を考えると、早い方がよいのか。
教育の早期化が進む中で、この問いは年々増えているように感じます。
しかし、ここで一つお伝えしておきたいことがあります。
小学校低学年は家庭の時間を優先する
Educatioでは、
小学校低学年の段階で塾に通う必要はないと考えています。
むしろ、小学校2年生くらいまでは
家庭で過ごす時間の方が重要な場合も少なくありません。
市販の問題集やドリルでも十分です。
大切なのは、
子どもが何に興味を持つのか
どこでつまずくのか
を保護者の方が知ることです。
そしてもう一つ重要なことがあります。
それは、親子の会話です。
言語の土台は、家庭でのコミュニケーションの中で育ちます。
日常の会話
読み聞かせ
問いかけ
こうした積み重ねが、
語彙
理解力
思考力
の基礎になります。
この点については、教育研究でも多くの示唆があります。
例えば、アメリカの研究者
Betty Hart と Todd Risley の研究では、
家庭で子どもが触れる言葉の量には大きな差があり、
幼少期の言語環境によって
数千万語規模(約3000万語)の差が生まれる可能性
があることが示されています。
この研究は一般に
「3000万語格差研究(30 Million Word Gap)」
として知られています。
幼少期にどれだけ言葉に触れるかが、
語彙の発達や言語理解に影響する可能性があると指摘されています。
(Hart & Risley, Meaningful Differences in the Everyday Experience of Young American Children, 1995)
つまり幼少期においては、
家庭での言語環境
が学習の土台になると考えられています。
この時期は、
学習を外部に任せるよりも
親子で言葉を交わす時間
の方が価値を持つことも少なくありません。
低学年の習い事について
ここで、もう一つよくある質問があります。
低学年のうちに学習系の習い事は必要なのでしょうか。
例えば、
・反復学習型の教材教室
・能力開発型の幼児教育
・各種の学習教室
などです。
これらの学習には、
学習習慣のきっかけになるという意味で
一定の価値がある場合もあります。
ただし、それが学力の本質的な向上に直結するかは別の問題です。
また、実際の内容を見ると、低学年の段階では
計算練習
簡単な問題演習
といった内容が中心になることが多くあります。
このレベルの学習であれば、
市販の問題集やドリルでも
十分に対応できる場合が少なくありません。
例えば、市販教材であれば数百円から購入できます。
一方で、教室に通う場合は
月謝に加えて移動時間も必要になります。
こうした点を総合的に考えると、
低学年の段階では
家庭での学習でも十分な場合が多い
と感じています。
特にこの時期は、
親子で
一緒に考える
一緒に読む
一緒に話す
といった時間が
学習の土台となる言語環境を作ります。
地域の教育環境について
Educatioのある足利市では、
小学生の段階から多くの習い事に通っているご家庭も少なくありません。
スポーツ
音楽
英語
学習系の教室
複数の習い事を掛け持ちしているケースも見られます。
もちろん、様々な経験をすること自体は
子どもの成長にとって大切なことです。
しかし一方で、
習い事が増えすぎることで
家庭でゆっくり会話をする時間
落ち着いて本を読む時間
一つの問題にじっくり取り組む時間
が少なくなってしまうこともあります。
学習において重要なのは、
長時間勉強することではなく
深く考える時間
です。
特に思考力や読解力は、
時間をかけて考える経験
試行錯誤する経験
によって育ちます。
スケジュールが過密になりすぎると、
こうした
「じっくり取り組む姿勢」
が育ちにくくなる場合もあります。
また、習い事が多いほど
教育費の負担も大きくなります。
教育は短期間で終わるものではありません。
小学生から大学受験までを考えると、
10年以上続く長期の教育
になります。
そのため、
教育費も含めた長期設計
がとても重要になります。
学習には「順序」がある
では、塾はいつから必要になるのでしょうか。
教育現場で長く子どもたちを見ていると、
一つの結論にたどり着きます。
それは、
学習は「いつ始めるか」よりも
「どの順序で積み上げるか」が重要である
ということです。
多くのご家庭では、
早く始める
多く勉強する
という方向に意識が向きがちです。
もちろん努力は大切です。
しかし実際の学習では、
順序が整っているかどうか
が長期的な学力に大きく影響します。
順序が崩れると起きること
思考の骨格が整っていない状態で、
英語の長文
難しい数学
高度な問題演習
に進んでしまうと、
理解ではなく
処理だけの学習
になりやすくなります。
一時的に成績が伸びたように見えても、
ある地点で学習が止まることがあります。
これは教育現場でよく見られる現象です。
思考の骨格を整える
Educatioでは、
学習を教科ごとに分断して考えていません。
数学
英語
国語
それぞれは独立した科目ではなく、
思考構造を育てる訓練
としてつながっています。
例えば、
主語を固定する
因果関係を追う
構造を整理する
こうした力は、
数学
英語
理科
社会
すべての学習に影響します。
そのためEducatioでは、
思考の骨格を整える順序
を重視しています。
教育は速度ではない
では、塾はいつから通うべきなのでしょうか。
これは一概に言えるものではありません。
しかし確実に言えることがあります。
それは、
教育は速度の問題ではない
ということです。
重要なのは、
何を先に整えるのか
どの順序で積み上げるのか
どこを目標に設計するのか
という、
学習の設計
です。
長期設計という考え方
Educatioでは、小学生から大学受験までを
一つの学習構造
として設計しています。
その中心にあるのが、
です。
学年ではなく理解度を基準に学習を進めることで、
生徒それぞれの理解の速度に合わせた学習が可能になります。
理解が進めば次へ進む。
必要であれば戻って固める。
その結果として、
小学生が中学内容を学ぶこともあり、
中学生が高校内容に進むこともあります。
これは早く進ませるためではなく、
理解の流れを止めないため
の学習構造です。
教育は設計で決まる
教育は短期間で完成するものではありません。
順序を守り、
構造を整え、
長い時間の中で積み上げていくものです。
そのため、
いつ始めるか
よりも、
どのように設計するか
の方が重要になります。
Educatioでは、
思考構造を軸とした長期の学習設計を行っています。
教育は、
速度の問題ではありません。
設計の問題です。
もし、長期的な学習設計の考え方にご関心をお持ちのご家庭がいらっしゃいましたら、
当塾の方針をご理解いただいた上で、個別のご相談も承っております。
次回予告
ここまで、
幼少期の家庭環境と学習の順序について述べてきました。
では、その後
小学生の学習はどのように変化するのでしょうか。
教育現場ではよく
「小4の壁」
という言葉が使われます。
小学校4年生頃から、
算数
国語
思考
の難易度が大きく変化し、
学力差が広がり始めると言われています。
次回の記事では、
小4の壁とは何か
──小学生の成績が下がる理由と学習の転換点
について整理していきます。
→ 小4の壁とは何か
(リンク)