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【学習設計記録】ポテンシャルと答案品質の間にあるもの-確認テストと模試結果から見えた課題-
2026年6月5日〜6月11日|週次分析レポート
当塾では、模試の結果そのものよりも、「なぜその結果になったのか」という過程を重視しています。
点数や偏差値は結果です。
しかし、結果には必ず原因があります。
今回も、ある生徒の確認テストと模試結果を照らし合わせながら、その因果関係を整理してみたいと思います。
【図①:学習時間推移グラフ】

数学|高い抽象力と、最後の出力管理の甘さ
この生徒は現在、高校受験の学習と並行しながら、高校数学や数学検定準1級レベルの内容にも取り組んでいます。
本人の強い知的好奇心から始まった学習であり、高度な内容を理解しながら進められるだけの高い数学的資質を持っています。
実際、今回の確認テストでも、最難関高校で出題されるような図形問題や空間図形に対して、
- ・方針を立てる
- ・必要な補助線や文字を設定する
- ・解法を組み立てる
といった部分では非常に高い力を見せていました。
しかし、今回見えた課題は別のところにありました。
それは、
「方針は正しいのに、最後の答案が完成しない」
という点です。
計算の整理、符号の確認、数値処理、式変形。
どれも決して難しい内容ではありません。
しかし、その部分の精度が甘いために、本来得点できる問題を落としてしまう場面が複数見られました。
大学数学につながる高度な概念を脳内で処理できる抽象力を持っていることと、高校入試の難問で「1点の計算ミスもせず、最後の数値まで合わせ切る精緻さ」は、全く別の能力です。
数学は、発想だけで勝つ科目ではありません。
どれだけ優れたアイデアを持っていても、答案として完成しなければ得点にはならない。
今回の確認テストは、その事実を改めて示していました。
国語・英語|量が質に転化していない状態
国語と英語についても同様の傾向が見られました。
古文単語の確認テストでは、
- ・意味が曖昧なまま覚えている
- ・多義語の整理が不十分
- ・品詞の意識が弱い
- ・白紙や途中答案が残る
といった状況が見られました。
勉強していないわけではありません。
実際に時間も使っています。
しかし、
「覚えたつもり」と「実際に書ける」は違う
ということです。
英語についても、
- ・長文を読む力はある
- ・内容を追うことはできる
一方で、
- ・文法
- ・語法
- ・構文理解
- ・知識問題
といった細部で失点が発生していました。
これは国語の単語学習と本質的には同じです。
理解が曖昧な部分をそのままにした状態では、本番で安定した得点にはつながりません。
模試結果との一致
興味深かったのは、今回の確認テストで見えた課題と、外部模試で見えた失点傾向がほぼ一致していたことです。
もちろん模試は模試です。
一回の結果だけで何かを判断することはありません。
しかし、
- ・計算精度
- ・知識の定着
- ・出力の正確性
- ・記述の完成度
という観点で見ると、日頃の確認テストで見えていた課題が、そのまま模試の答案にも表れていました。
模試が返却されたから課題が見つかったのではありません。
課題は、その前から答案の中に存在していました。
今週の変化|復習を中心とした品質改善
そこで今週は、学習の方向性を少し変更しました。
今週のポイントは、学習時間の総量ではありません。
むしろ重要なのは、
「本人の雑さの自覚」を起点として、学習設計を大きく方向転換したこと
です。
数学については引き続き確認テストを通して精度を管理していきます。
一方で、国語と英語は確認テストだけでは把握しきれない部分があります。
そこで、
- ・現代文の解き直し
- ・古文の復習
- ・英文解釈の精読
- ・既習問題の再分析
といった復習中心の学習へと比重を移しました。
新しい問題を解くことは楽しいものです。
しかし、本当に力が伸びるのは、
「以前解いた問題を、前回より深く理解する」
瞬間だったりします。
Educatioの考える学習設計
学習時間は重要です。
しかし、それだけでは十分ではありません。
どれだけ長時間勉強しても、
- ・計算が雑なまま
- ・単語が曖昧なまま
- ・読解が感覚的なまま
では結果にはつながりません。
反対に、
- ・1つの計算を丁寧に確認する
- ・1つの単語を正確に覚える
- ・1つの文章を構造的に読み直す
そうした地道な積み重ねが、最終的には大きな差になります。
今回の観測を通して、課題はかなり明確になりました。
高いポテンシャルがあることは疑いありません。
だからこそ、今必要なのは新しい知識を増やすことではなく、すでに持っている力を答案として正確に表現する技術を磨くことです。
この夏に向けて、
「分かったつもり」
を減らし、
「確実に得点できる状態」
を増やしていく。
そのための設計と検証を、引き続き行っていきたいと思います。
最後に
学習時間は増えています。
しかし、私たちが見ているのは時間ではありません。
その時間が、答案の質に変わっているか
です。
確認テストで見えた課題は、決して小さなものではありませんでした。
しかし、その後の行動には確かな変化が見られました。
この変化を一時的な反応で終わらせず、継続的な学習品質の向上へつなげること。
そこが次の課題です。
「勉強した」から、
「本番で再現できる」へ。
私たちは勉強した時間を評価するのではなく、その時間によって生み出された答案を評価します。
今後も確認テストを通じて、行動と結果の因果関係を観測しながら、学習設計を継続していきます。
■ご案内
当塾では、スタディプラス等を活用した学習の可視化に加え、
日々のノートの内容、確認テストの結果、授業内での発言や理解度をもとに、
生徒一人ひとりの進捗状況と定着度を多面的に把握しています。
スタディプラスの利用有無に関わらず、
すべての生徒に対して同様の設計と修正を行っている点が、当塾の特徴です。
ご興味のある方は、説明会にて詳細をご案内しております。
来週は、この設計変更によって学習の質がどのように変化するかを記録・分析します。
当塾の教育方針については、以下をご参照ください。
(リンク)